今、横浜市歴史博物館で行われている特別展「横浜の仏像」に行って参りました。
そして萩原哉先生(横浜市文化財総合調査団主任調査員・武蔵野美術大学非常勤講師)に特別講義をして頂き、貴重なお話をお聞きすることができました。
今回の展示は横浜市域にある仏像を総合的に紹介する初めての展覧会ということです。
武蔵国と相模国の境に位置する横浜の地に数多くのお寺が建てられ仏像も残され、平安・鎌倉時代の仏像を中心に展示されています。
まず展覧会場に入ってお目見えしたのが如来坐像 飛鳥後期(白鳳)8世紀初↓
西寺尾八幡社の御神体として伝来し、後に松陰寺に移されました。とても完成度の高い仏像でした。
中でも十一面観音像、薬師如来像、阿弥陀如来像が多く、当時疫病が流行っていたこともあり人々は疫病退散を願っていたのでしょう。今の時代とリンクしますね。
興味深かったのが、引明寺の十一面観音菩薩立像。表面にのみ目が揃って残されていて、一見未完成かと思いきや墨で髭などが書かれているので、わざとのみ目が残されているとのこと。
これは霊木から仏が現れる様子を表した説と仏を彫る時の音を聞くと功徳が得られるという経典に書かれていることから、のみの音を感じされるためにのみ跡を残したという説もあるそうです。
その他にも運慶の影響を受けた仏像や横浜地元の仏師が彫ったであろう素朴で個性的な仏像などまだ謎が残されていることもあり、探究心が湧いてきました。
この特別展「横浜の仏像」は3月21日まで開催しています。
貴重な機会にぜひご覧ください。