パナソニック汐留美術館で開催されている「マイセン動物園展」へ
ドイツのマイセンはヨーロッパで初めて硬質磁器製造に成功したブランドです。
17世紀になり東インド会社が設立され、中国や日本などから東洋磁器が輸入されるようになりました。それまでヨーロッパでは金属製の器が使われていましたが、磁器は優れた食器として大量に輸入されるようになりました。
マイセンの設立者であるアウグスト強王は中国の壺151個と兵士600人を交換したという逸話もあるそうです。王族貴族達は自国で磁器を制作することを試みました。
そして1710年にアウグスト強王は磁器製作所設立を宣言しました。
神話と寓話を主題とした作品
繊細で鮮やかな色とりどりの絵が描かれています。
まるで物語の中を覗き込んでいるよう。いかにも動き出しそうです。
シャンデリアや鏡もありました。
たくさんの花をあしらったマイセンを代表する「スノーボール」には鳥達が生き生きと遊んでいます。
こんな素敵なティーカップが家にあったら一日眺めていたいくらい。
動物園の歴史は昔、王がライオンやゾウを観賞用に飼育していたのが起源らしく、アウグスト強王は「宮廷動物園」を陶器で再現しようとした。そういった経緯でマイセンは動物の彫刻が多いのですね。
19世紀末から20世紀初頭にかけヨーロッパではアールヌーボー様式が流行りマイセンでもそれを取り入れ動物を制作しました。
動物の写真は撮影禁止のものが多く、撮れませんでした。
マイセンの作品の人間や動物の細かな動きや仕草など、彫刻の参考にしたいと思います。見ていて心トキメキましたよ。
ヨーロッパの歴史の流れも作品で見ることができました。
まずは王族の依頼で作品ができ、貴族へ、そして個人に向けての作品作りへと。仏像も同じだなと思いました。